表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東海道五十三次美人OLスキー旅ミケタマ珍道中  作者: いもたると


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
78/88

石部 その1

 さて、明朝。

 ミケタマの二人は水口城を立った。

 ほぼ真っ直ぐのゲレンデを、西へ向かって滑っていく。

 東海道51番目の宿場町、石部いしべを目指す。


 しばらく行くと、野洲川のほとりにたどり着いた。

 しばし立ち止まり、大常夜灯を見上げる。

 昨晩、ここで世にも恐ろしい戦いが繰り広げられていたということは、彼女たちはおろか、誰一人知るものはない。


「これが横田の大常夜灯。実物を見ると、本当に大きいわね」

「本当ね。どうせなら、夜に来れば、きれいだったかもしれないわね」

 と、何とも呑気な二人である。


「よし、出発するわよ!」と、ミケコはスキー板のエンジンをかけて、行こうとした。「どうしたの、タマ?何か興味を惹かれるものでもあったの?」

「う、ううん、なんでもないわ。さあ、行きましょう」

 タマコもエンジンをかけて、滑り出す。


「今夜が最後の宿泊地だわね」

「旅ももうおしまいね。今日は何を食べようかしら?」

「せっかく滋賀に来たんだから、もち、アレを食べたいわ」

「もち、もち。滋賀といえば、近江牛よね」

「近江牛のステーキ!」

「そうよ、そうよ。ワインと一緒にね」


 朝から、夕飯の相談である。

 食べて飲んでばかりいるようだが、食べて、飲み、そして、食べて、飲む。

 これぞ旅の醍醐味だ。

 少し下流に行ったところにかかる、横田橋を渡る。


「私たち、また川を渡ったのね」

「この旅、何本目の川かしら?」

「もう、数え切れないくらい」

「川を渡るたびに、ゴールに近づいていくのね」


 JR草津線の三雲駅みくもえきを過ぎて、三雲城跡の先にある、大沙川おおすながわトンネルを越える。

 小さなトンネルで、すぐに通過してしまう。


「ねえ、タマコちゃん。トンネルを過ぎると、そこには何があるの?」

「それはそれは夢の国でした」

「どんな?」

「おいしいお酒が流れる川があるのよ」

「もう、夢がないわね」

「じゃあ、ミケは何だと思うのよ」

「焼き鳥が放し飼いにされている牧場よ」

「それなら、やっぱり川が必要ね」

 などと冗談を言って進んでいく。


 実際には、トンネルの向こうが夢の国、などということはなく、今まで通りの東海道ゲレンデが続いていく。

 しばらく行くと、再びトンネルがあった。

 今度は、由良谷川ゆらたにがわトンネルであるが……。


「トンネルを過ぎると、そこには目の覚めるような素晴らしい……って、キャア!」

「うわ、眩しい!」

 トンネルを抜けて、驚いた。

 目に飛び込んできたのは、眩いばかりの、キンキラキン。


「何よ、これ!キンキラキンのキンキラキンだわ」

「本当、キラッキラの、キラッキラの、キラッキラキンじゃないの!」

 と、さすがの二人もボキャブラリーを失う。


 キンキラキンだけでは、読者に分からないので、作者が説明する。

 由良谷川トンネルの向こう側は、一面、黄金色に輝くゲレンデが待っていた。

「人工雪が、金色に光ってるの?」

「下だけじゃないわ。あれを見て」

 と、ゲレンデの両サイドを見ると、そこには黄金で作られた、人物像がずらりと並べられていた。


「これは、何?本物の金で出来ているの?」

「さすがにそれだと、防犯上心配だわ」

「それより、これは誰の像かしらね?」

「この辺りの有名人かしら?」

「この顔、見覚えがあるような、ないような」

「何だか、すごく真面目そうな顔じゃない?こんな人、私たちの知り合いにいたかしら?」

 うーんと、頭を捻って思い出そうとしてみたが、それらしき人物は思い浮かばない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ