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東海道五十三次美人OLスキー旅ミケタマ珍道中  作者: いもたると


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18/25

小田原 その2

「あ、いや、それは……」と、慌てる一茶だったが、とっさに適当な出まかせを思いついた。

「実はね、ただのバグではないんです。これは極秘事項なんですけど、僕のところに届いている情報によると、どうやらこれは我が弥次喜多グループのライバル企業・十返舎開発の仕業らしいのです」

「えー、十返舎開発!?」

「って、あの、東海道をゴルフカントリーにしようとしていた?」

 と、思いもよらなかった名前が出て、ミケタマは驚いた。


 ちなみに、隣の鱒之助にとっても寝耳に水であったが、優秀な秘書の彼はそんなことおくびにも出さない。

「その通りなのです。どうやらその十返舎開発が、いろんなバグを仕掛けて、我が社の評判を貶めようと画策しているらしのです」

「えー、そうだったんですか」と、タマコ。


「これを見てください」

 と、一茶は懐から十字手裏剣を取り出して、二人に見せた。

「これは僕が川崎の現場で拾ったものです。どうやら十返舎開発は忍びの者を使って、我が社のシステムに打撃を与えようとしているらしいのです」

「そうだったのね。あ、忍びと言えば」

 と、歴史マニアのミケコはあることに気づいた。

「忍びと言えば、小田原・風魔忍者!」

 風魔忍者とは、戦国時代に小田原城を居城とした、北条氏に仕えた忍者の一族である。

 あの戦国最強を誇った甲斐の武田の群勢も、ほとほと手を焼いたという、忍者の精鋭集団だ。


「その風魔忍者が、各地でいろいろとバグを仕掛けているようなのです」

「なんていうことなの!?」と、驚くミケコ。

「でも大丈夫です、ご安心ください。この僕が来たからには、決して悪いものをお二人に近づけるようなことはしません」

 自分のことを棚に上げて、一茶は内心ほくそ笑んだ。


 偶然であるが、これで二人を守るという名目で、堂々とミケタマに接近することができる。

 あとはこの先の道中、部下のスタッフに命じて、適当にトラブルを起こせばいいだけだ。

 だが、ミケコの反応は、一茶が期待したものとは違っていた。


「そんな、そんな……。風魔忍者が私たちの旅路を妨害して来るだなんて…」

 ワナワナと震えるミケコ。

「大丈夫ですよ、ミケコ君。この僕がついていますから!」と、図々しくミケコの手を取ろうとした一茶であったが。


「なんて面白いのかしら!」

「え?」

「ねえ、タマ。聞いた?風魔忍者に会えるかもしれないのよ!?」

 歴史マニアのミケコにとっては、願ってもないことであった。

「ゾクゾクしちゃう。この城にもいるのかしら?もしかして今も私たちを見張ってる?」

 と、ミケコは天井を見回した。


「い、いや、この城は我が弥次喜多グループが完全に管理していますから、ネズミ一匹入ることはできません。だから、安心してください!」

 一茶は思わぬ展開に当惑した。

「こうしちゃいられないわ。ねえ、タマ。今夜はもう早く寝ましょう。明日が楽しみだわ。こちらから風魔忍者を見つけてやりましょうよ」

 と、ミケコは残ったシャンパンの瓶を全部抱えると、部屋に戻るべく席を立った。


「あ、一茶さん、今夜はご馳走様でした」

 タマコも相方と一緒に、部屋に戻る。

「え、ええ、楽しい旅を」

 後に寂しく取り残される、一茶と鱒之助なのであった。


 部屋に戻って。

「あ〜、楽しみだわ。今夜は興奮して早く寝られそう」

 ミケコはワクワクして布団に入った。

「どーゆう神経してるのよ」


 一方、タマコは、あることが気にかかっていた。

(戸塚の宿で見られている感じがしたのは、なんだったのかしら?)

 しかし、旅の疲れと、おいしい料理とお酒の力もあいまって、間もなく二人ともスヤスヤと眠りに落ちたのであった。


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