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冥刀抜錨トリニティGEAR  作者: 亜亜亜 無常也
漆ノ章 ~PROJECT XX~

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874/875

chapter874 隠された切り札

 ******



 モモタとゴドーの戦いは一方的な展開となっていた。

 ゴドーは二つのクロス……〔マグマ〕と〔ケツァルコアトルス〕を使う事で有利に戦闘を進めていた。


 まずマグマ。

 彼の場合、マグマを普通に放つ訳ではなく、弾丸状――熔岩弾とでも言うべき物にして、それを拳銃の弾丸として撃っていた。

 マグマの温度は地表近くでだいたい八百~千二百度程度、 地下深くの出来立てのマグマは千三百~千四百度位。

 つまりは生半可な炎より高温なうえ、質量がある。

 だからこそ、この弾丸は対物理や対炎熱では防げない。

 

 そして、ケツァルコアトルス。

 背中から翼を展開し、空中を凄まじいスピードで飛ぶ。

 一説によれば、ケツァルコアトルスは時速五十~六十kmで飛行していたが、そこはクロス。ゴドーはそれを遥かに超えるスピードで飛んでいた。

 そして、この翼竜自体には空中からの攻撃手段はないが、それを彼はクロスと拳銃で補っていた。


 これが本気のゴドーの戦法……の一つ。

 空中を高速で飛びながら、マグマの弾丸を撃っての滅多撃ち。

 相手に滞空攻撃手段がなければ詰む。


 それをモモタは障壁を使う事で防いでいた。

 だが、完全には防げず、弾速や威力を弱めるのがせいぜい。

 それを自力で回避していた。


(ここまでバンバン撃っても弾切れがないとは……)


 内心嘆息していた。

 最初は相手のスタミナ切れを狙っていたが、相手に消耗が全くない。


(これは何かしら使ってるね……)


 装備か、スキルか。

 どちらかはわからないが……。


 モモタは知らない事だが、これはスキル……と言うかギアスの効果だった。

 ゴドーは自身の《レッドクロス〔マグマ〕》に制限を掛けている。

 それが――『マグマを銃器での攻撃手段でしか使わない』というモノ。

 つまりはそれ以外の攻撃方法が一切出来ない。

 ただしその代わり、撃てる回数が上昇し、威力と弾速まで上がっている。


 そんな相手にモモタは決意する。


(なら使うか。幸いにも射程範囲だ)


 相手の攻撃方法の観察は終わった。

 ここからは反撃と行く。


 モモタは長ドスを持っている手とは逆の手で、首に付けていたペンダントを出す。

 それは漆黒の宝石が付いた物。心なしか不気味な気配を放っている。

 彼はいつもこれを上手い事見えないように付けて、服の中で隠している。

 これこそが彼の奥の手。


「さあここからだ」  

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