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冥刀抜錨トリニティGEAR  作者: 亜亜亜 無常也
漆ノ章 ~PROJECT XX~

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chapter746 パワーとスピード

 ■□■□



 同時に飛び出した結果。


「ほら、入った」


 早かったのはユウナ。

 そのまま鉈を振るいマリアを斬りにかかる。


「……」


 マリアはパイルバンカーを盾にするが、その隙間を鉈は掻い潜り、マリアを斬り刻んでいく。

 血塗れになっていくが、その眼は死んでいない。


(何か狙っているな。それはともかく……)


 ある事をユウナは思っている。


(硬い! 筋肉の密度が違う!?)


 近接系の戦闘者なら筋肉が付いているのは当然。

 なのだが、それがマリアは異常だった。

 歩き方や佇まいから、なんとなくわかっていた事だが、体感して改めて予想を遥かに超えていた。

 そのせいで傷は付き、出血はしているが、浅い。

 ……しかもパイルバンカーを盾にしているので、重要な部位に傷がつけられない。


 それに加え……


(カウンターが怖いよね)


 皮を切らせて肉を断つ。肉を切らせて骨を断つ。

 それをユウナは恐れていた。 


(このまま削って行って失血を狙う)


 深入りはせず、刻む事を選択するユウナ。

 だが、それはマリアも予想済み。

 だからこそ、マリアはあえて脱力する。


「(予想よりも深く食い込んだ)!?」


 ユウナの一撃がマリアに深く食い込む。

 そのせいで引き抜くまでタイムラグが出てきてしまう。

 かなりの血が流れるが、マリアは筋肉を使って締め、血と鉈を止める。

 そのまま狙うのは鉈を持つユウナの左腕。


「!」


 それにユウナは何の躊躇いもなく武器を手放す。

 

「予想通り」

「!?」


 マリアの拳の連打。

 威力より速さを重視。

 それをユウナは後ろに下がる事で凌ぐが……


(数発貰った……) 


 何発か喰らってしまった。

 速さ重視の一撃なのに、骨に罅がいった。


「危ない危ない」

「流石ですね」


 マリアは刺さった鉈を引き抜くと、空き缶でも丸めるかのようにしてしまう。

 それにユウナは軽く唖然としながら呟く。


「君はゴリラか何か?」

「ゴリラに失礼です」

((いや!? あなたは!?))


 観戦者がその言葉にツッコミを内心で入れる。

 そんな中で、ユウナは考えていた。


(武器を失くしたのは痛いな……。どうしよう)


 そんな事を思った時だった。


「ユウナさん!」


 レイリが何かをぶん投げた。

 それは――レイピア。

 初めて殺した相手からの戦利品


「使ってください!」

「ありがとう」


 そしてユウナはレイピアを構えた。

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