chapter742 マリア咆哮
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その日、マリアは早朝……どころか、深夜に目が覚めた。
マリアは修道女らしく規則正しい生活を送っている。
流石に早いので、もう一度寝ようと思ったのだが……
「……眠れません」
しょうがないので、もう起きてしまう事にする。
(眠くなったら、昼寝でもしましょうか)
そんな事を思いながら、ベッドから起き上がり、トレーニングウェア――実はオウカの御下がり――を着る。
……実はマリア、寝る時は全裸派。流石に野宿の時はしないが。
そして、日課である正拳突きをおこなう。
普段は一万回おこなうが、今日はそれ以上やる事にする、
「ハッ! ハッ! ハッ! ハッ!」
日が昇り、早朝から朝となる。
それでも彼女は正拳突きを続けていると、小さな鳥が彼女の肩に止まる。
「この連絡方法は……キョウコさんですね」
鳥を手に取ると手紙に変わる。
そこには学校に来てくれ、とあった。
しかも転移用の使い捨ての呪符まで同封されている。
「? 何でしょうね」
疑問に思いながら、マリアは一旦中に入り、改造修道服に着替え、呪符を発動させ、その場から消えた。
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そしてわちゃわちゃしている学校前にマリアが現れる。
「「マリアさん!」」
「皆さんおはようございます」
挨拶してきた顔見知りに一礼するマリア。
一方、
「……誰なの? この人?」
彼女を知らないイヌコが首を捻る。
それにレイリが説明する。
「実習の時に引率してくれた人。先輩の友達だって」
「どおりで……」
奇抜な恰好をしている訳だと納得するイヌコ。
胸元と太腿が丸出しの修道服なうえ、スタイルは良いので、やはり目立つ。
そんなマリアはキョウコに訊ねる。
「それでワタクシに何の用でしょう?」
「実はね~そっち出身のサクヅキクンの知り合いが来ててね~」
「そうなのですか……」
マリアが視線をユウナに向ける。
ユウナもそれに応じる。
視線が交差。
(知らない人。誰かはわかりませんが、かなり強い)
(凄いね。肉体が人間範疇にない)
互いを分析する。
そして歩み寄り自己紹介する。
「初めまして。マリアと申します」
「こちらこそ。僕は――ユウナだ」
その名前にマリアの目が見開かれる。
「まさか……勇者?」
「「勇者?」」
「……まあそう呼ばれた事もあるね」
肯定したユウナ。
それにマリアは沈黙していたが……
「そう……ですか」
目を伏せた。
そして。
「お前がかぁぁああーー!!」
咆哮を上げてユウナを殴り飛ばした!




