chapter736 隠されたモノ
「久しぶりだから上手く出来ているか不安だけど……」
朝食のメニューは白い御飯、豆腐とわかめの味噌汁、漬物、茹で鮭、サラダ。
それにクインは味噌汁を一口飲んで。
「ん」
親指を立てる。
どうやら大丈夫だったらしい。
「良かった」
それにほっとするユウナ。
そうして二人で朝食を食べていく。
途中でクインはテレビをつける。
ニュースを見ようと思ったのだ。
「テレビだ。久しぶりだな……」
「テレビなかったの?」
「あったけど……、ほら放送する所が」
「……」
納得すると同時、本当に酷い世界だったんだと、唖然とするクイン。
そして、アナウンサーがニュースを読み上げて行く。
『次のニュースです。東京都で郊外にあった建物が全焼しました』
そして映像が出る。
そこには燃え尽きて骨組みだけになった建物があった。
それにユウナが反応した。
「あ……」
「ん?」
「僕が居た所だ」
「ん!?」
驚いて少しむせるクイン。
味噌汁を飲んで落ち着く。
そして訊ねる。
「確か?」
「周囲が同じ」
そうしてニュースを聞いていく。
『幸い建物には人が居なかったため、死傷者は出ませんでした』
その言葉にクインはユウナを見る。
「どういう事?」
ユウナの話を聞く限り、彼女はそこにいた研究員や護衛を皆殺しにしている。
火が付いたとしても、骨も残らず燃えるなんてありえない。
というか、研究所があったというのだから、耐火設備はあるはずなのに。
それにユウナは漬物を齧りながら、考えを述べる。
「僕はやっていないよ」
「わかってる」
「やるべき事やって、金目の物……足が付きにくい物を持ちだした位だから」
一拍置いて告げる。
「誰かが証拠隠滅したんじゃないのかな?」
ユウナが中を見た限り、完全違法な研究所。
見つかったら不味いからこその行動であろう。
「……誰がそれをやったの」
「わからないけど……」
彼女は少しだけ口元に笑みを浮かべてこう言う。
「完全に隠滅は出来ていないようだからね」
「……」
何かをしたらしいユウナ。
聞こうとも思ったが、藪蛇の可能性があったので。
「ん」
曖昧な返事をするだけにした。
それからは二人は特に会話もせず、黙々と食事を続けた。
暫くして。
「ごちそうさまでした」
「ん」
「洗い物しておくね」
「ん」
ユウナが洗い物をしている時に、クインは学校へ行く支度をする。
「終わりっと。あ、クインちゃん」
「ん?」
「僕も学校行くから」
「ん!?」




