chapter734 送る言葉
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簡略した自身の反省を話し終え、ユウナはお茶のおかわりを淹れようと、急須からお茶を注ごうとするが……
「あれま空だ」
「ん」
それにクインがおかわりを淹れに部屋を出た。
残されたのはユウナとレイリ。
その状況下で
「……あの」
レイリが口を開く。
「ん?」
「何で普通に話せるんですか?」
まず思ったのはこれだった。
それにユウナは肩をすくめて答える。
「過去は過去だからね」
もう既に終わった事。
彼女にはどうしようもない。
それに……
「あの世界じゃもっと酷い事例がありふれていたから」
自分にあった事なんてよくある事。
近い事例、もっと酷い事例なんて腐る程ある。
「……」
納得できるような、できないようなレイリ。
そんな彼女に向けてユウナは訊ねる。
「じゃあ今度は僕の番」
「え?」
「ここまで答えたんだから、僕の質問にも答えてくれるだろう?」
それにレイリは、答えないというのは不義理なのでコクリと頷く。
「まあ身構えなくて良いよ。……もしかしてさ、君は最近、初めて人を殺した?」
「! ……はい。わかりますか?」
「なんとなくね」
人殺しは人殺しがわかる。
モンセラートやコジュウロウの二人に至っては、殺しまくっているため相手の人数すらなんとなくは把握出来る。
凄いな、とレイリが思っていると。
「まあ、君は大丈夫だよ」
ユウナは告げる。
「え」
「君は人を殺した事、分かり合えそうだった人を殺して、気に病んでいるのもあるけど」
一拍置いて告げる。
「殺した時に、快楽を感じたんでしょう?」
「!!」
「だから自分も快楽殺人鬼に堕ちるじゃないかって思っていたのでしょう?」
その言葉にレイリは表情を凍り付かせた。
暫くして……重い口を開く。
「そこまでわかっちゃうんですね」
「旅をしていると色々な人を見るからね」
その言葉を聞いてレイリは躊躇ながらも口を開く。
「わたしはあの時、快楽を感じたんです。しかもまた味わいたいって思ったんです」
「でも積極的に殺したいとは思っていないでしょう?」
「それは……そうですけど」
「なら大丈夫さ」
即答するユウナ。
「上手くその衝動と付き合っていけば良いんだ」
でも……と更に彼女は続ける。
「我慢し過ぎは体に良くないから適度に発散させる事。いいね?」
「でも……」
「でももへちまもない。我慢し過ぎるととんでもない事になるんだから」
その言葉には実感が籠っていた。




