二度見します
よろしくお願いします。
うわっ本当に来たよびっくりだね!
どうも皆さまごきげんよう、わたくし侯爵令嬢フィアナ・ジェニアスですわ。
本日わたくしは王宮に来ています。
なぜって、わたくしの婚約者、ギルフォード・ソヴェール王太子殿下が来訪されるから。
そう、婚約者として王太子殿下をおもてなしするために呼び出されたのです。
ていうか、そんなの王族でやってよ。
わたし、単なる一貴族でしてよ?
え? 婚約者? ソレガナニカ?
もともとある日突然隕石落下の如く降って湧いた婚約話。
こんな短時間では理解も追い付かず、気持ちはなおのこと追い付いていない。
噂くらいは聞いていても顔どころか絵姿さえ見たことない相手に、一体どう接しろというのか、困惑するばかりだ。それは相手も同じだろう。こんな小国の一侯爵令嬢、存在すら知っていたか疑問なところだ。
いくら婚約したからって、突然引き合わされても戸惑うばかりだろう。迷惑このうえない。
と思っていたが、そこはさすが王太子。
場違いな小娘に嫌な顔ひとつせず、大変眩い笑顔でにこやかに話しかけてくださった。
おぉう?! わたしが誰かわかってる。
流石王太子。事前情報ばっちりですね!
噂通りの整った綺麗な顔に引き締まった細マッチョ。しかも蕩ける笑顔に美辞麗句付き!
いやぁ、大国の王子は違うなぁ。
でも気をつけないとその態度、ご令嬢が勘違いしちゃうよ?
うん、きっとわたしじゃなきゃ、"惚れられてる"って誤解してたかもね。
大丈夫!! わたしは身の程を知ってるからね。イケメン文武両道完璧王子となんて釣り合う訳ない。変な誤解なんかしないから、ちゃんと笑顔でさらっと流すね!
……なんか複雑な顔されたけど、誤解してないよ? ちゃんと流したでしょ。
――――なんだかふたりきりにされました。
いいの? 婚約者同志とはいえ、未婚の年頃の男女だよ?
しかもなぜか距離が近くありませんか、殿下。ほぼ0距離だよね。初対面でアリなの?
この距離感、落ち着かないなぁ。
読んでいただきありがとうございます。




