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穴があったら飛び込んで、隠れたいです

ただ今、上司(ちびっこ)とそのお父様(シブメン紳士)に挟まれています、正直逃げ出したいです・・愚痴っちゃいました、上司の悪口をお父さんにペラペラと、愚痴っちゃいました。

もう一人のシブメン(ソルテ)さんに助けを求めたけど、全力で視線を逸らされた。

あはは、天は私を見放した・・・


「大丈夫ですよ、私がクビにはさせませんから、落ち込まないでくださいね」

「えっ?」


あれ、魔王様って読心術が使えるの?てことは今までのも全部、駄々漏れですか・・

うわ、穴があったら、逃げ込みたい。


「いえ、私達には読心術は使えません、言いづらいのですが、すべて口に出していますよ」


訂正します、全力で穴に飛び込みたいです、出来ればそのまま埋めてほしいです。

あと、魔王様・・出来たら慰めるのに頭を撫でるのをやめて欲しいです、嫌ではないですが、恥ずかしいです、めちゃくちゃいい笑顔で撫でないでください、イケメン過ぎて心臓に悪いです。


「さて、イリス、今日はそなたの部下となる女性が来るので決して失礼な事をしてはならないと、そう言っていたはずだが」


その瞬間、部屋の温度が下がった気がします、魔王様(シブメン紳士様)の表情は判らないけど、確実に怒っているようです。

うわ、上司(ちびっこ)シブメンさん(ソルテ)の顔が真っ青を通り越して白くなってる。

シブメンさん《ソルテ》さんは、私をガン見しないで下さい、言いたい事は判りますが無理です、魔王様《シブメン紳士様》に話しかける勇気は、全く持ってないです。


「も、申し訳ありません、父上・・」

「ほう、自分のした事が愚かな事だと認識はしてはいるようですね、ふむ・・・ゆかさん」


重苦しい雰囲気の中で、完璧に現実逃避していたゆかは、突然声をかけられ慌てふためいた。


「はひぃ・・・な、何でしょうか?」

「罰を考えてもまたやるでしょうから、ゆかさんに救済のアイテムを授ける事にしました」


『『はい?』』


周りの状況を気にする事なく、魔王様(イケメン紳士様)は小さく呟くと、ゆかの手首に指先を触れた。

その瞬間、ゆかの手首には小さな刺青の様なものが浮き出ていた。


「あの、これは?」


自分の手首に出来た刺青モドキに触れながら、首をかしげる、ゆかに魔王様(イケメン紳士様)はニコニコと笑みを浮かべた。

後ろで、上司(ちびっこ)シブメン(ソルテ)さんは刺青モドキが何かわかっているのか、驚きの表情を浮かべていた。


「それは、印の魔術と言いまして、この城のすべての制約を無効に出来ます、加えてこの印は私の後ろ盾も意味しますので、イリスを捕まえ・・探す時に役に役立つようになっていますので、サボった時は容赦なしで構いません、私が許可しますよ、印の魔術の詳しい使い方は後で、ソルテに聞くと良いですよ」


つまり、親公認で容赦なく、何処に居たとしても、捕まえても良いよって、お墨付き

う~ん、物凄い物貰っちゃった、ありゃシブメン(ソルテ)さんめちゃくちゃ嬉しそう、どれだけちびっこに逃げられてたのか、想像出来ちゃうけど。


「あ、ありがとうございます、魔王様・・」

「いえいえ、気にしないでください、ではこれからよろしくお願いしますね、ゆかさん」


そう言って、魔王様はやさしげな笑みを浮かべながら去っていきましたが、正直魔王の名は伊達ではないと悟りました。

魔王様が去った後の部屋はさっきより、幾分部屋の温度が上がった気がした。


「はあ、まさか父上を連れてくるなんて、思わなかったぞ」


椅子にもたれ掛りながら、若干ぐったりした様子で、文句を言う姿に溜飲が下がる気分だった。


「私も、まさか道案内してくださった方が、魔王様とは思いませんでしたよ」

「出会ったのが陛下で良かったですね、中には変態・・いえ不埒な者が居ないとは言えませんから、充分に気を付けてくださいね、ゆかさんはレディーなんですから」


そう注意する姿に、二人は


(お母さん(母親))みたいと思うのだった。


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