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 この世界に来て、もうすぐ一年になる。


 私がこの世界で生きていっていいのかの判定も、もうすぐだ。


 元の世界で人を殺した。


 断罪される覚悟で夫を殺したのだ。


 もし、この世界の人達が私を牢獄に閉じ込める決断をしても受け入れる。


 夫は私の自由と尊厳と生き甲斐を奪った。


 けれど、私も夫を殺したのだ。


 その罪は償わなければならない。


 人を殺した罪は、この命で贖うつもりだった。


 けれど、何の因果か、異世界に転移した。


 行方不明だった元恋人と再会できて、生き甲斐だったアルパ奏者として活動できた。


 もう充分だ。


 今度は命ではなく、残りの人生で贖罪しよう。


 そう覚悟していたのだけれど、《異世界人対策課》の人達の判定は、このまま自由に生きていいという事だった。


 それを聞いた時は正直ほっとした。


 勿論、人を殺した罪は消えない。


 この世界の人達が私を断罪しなくても、いずれ報いを受ける時がくるだろう。


 その「報い」は意外な形で訪れた。





 王宮にある《異世界人対策課》で、付き添ってくれた知高さんと共に、今後この世界で自由に生きれるか、監獄に送られるかの判定を聞いた帰りだった。


「何でよ! 何で、あんたがこの世界で自由に生きれて、私がクビになるのよ!」


 訳の分からない事を喚いたモブンナは、持っていた短剣を私に向けて突進してきた。


「美音!」


 知高さんは私を庇おうと私の前に走りだそうとした。


 その瞬間――。


 私は、この世界から消えた。






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