第二話「気づき」
俺の名前は遠崎龍介。
今日俺は、スライムと戦った。
なぜそんな事が起きたのだろうか、俺はわからなかった。
そんな俺に対しルールの説明が行われた。
おそらく、俺の目の前にあるエレベーターについてであろう。
昭和時代に使われていたであろうエレベーターは、不思議な空間へとつながっていた。
そこは白い部屋であった。
白い部屋で俺はあるものをもらった。
それは、脳内に対し直接音を鳴らす目覚まし時計であったり、レンズが光るサングラスであったり、持つと曲がるスプーン、プラスチック製のバットなどがあった。
プラスチック製のバットはと言うと、今俺に対しルールの説明を行っている巻物へと変化していた。
ルールによるとこれはゲームらしい。
エレベーターにて配給されるアイテムを使って敵を倒す、そんなシンプルなゲーム。
エレベーターには7日間行き、7日目の配給が終わり次第敵が出現するという。
今回はスライムだった。
俺は最初の数日間エレベーターに向かわなかったため、少ないアイテムでの挑戦となった。
だがクリア後にルール説明が行われたことや、最後のアイテムがルール説明用のアイテムに変化することなどを考えると、最初はチュートリアルであった可能性が高い。
今起きた状況について俺は整理してみた。
今のところ俺は、知らない間にゲームに巻き込まれてしまったが、あのスライムを倒すことでクリアできたみたいだ。
つまり今のところ問題はなかった。
だが、少しは問題があった。
このゲームは2週間、間を空けてもう一度行われるらしい。
俺は無視していようと考えてみたが、ルールの下には補足説明があった。
・7日目の配給を受け取らない場合、次の日エレベーターからプレイヤーに対し出現予定であった敵を向かわせる。
つまり逃げても無駄だろう。
ということで、俺はルールの詳しい理解、エレベーターについて、エレベーターにてもらえるアイテムの確認を行うことにした。
何もわからないままは良くないだろう。
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俺は家に帰りルールを読み込んだ。
基本的なルールはさっき読んだ通りだったが、補足説明で興味深いことが書いてあった。
どうやらエレベーターで手に入れたアイテムは、少ししたら消えるらしい。
どのくらいの時間で消えるのかはわからないが、おそらく2週間後までは持たないだろう。
つまり、次回の敵はその時行われる配給で手に入れたアイテムで戦うのだろう。
俺はアイテムが消えるまでに今まで手に入れたものを詳しく調べることにした。
明日から本格的に動き始める、そう思いベッドへと入る。
次の日起きるとアイテムが消えていた。
思ったより消えるのが早かった。
少し残念であったが、消えていない物があった。
最初に手に入れた鍵と、ルール説明の巻物である。
巻物はルールが書かれているため消えてしまうと困るのでありがたかったが、鍵はよくわからなかった。
何に使うのかもわかっていないが、消えなかったということは大事なものであろう。
今後なにかに使うのかもしれないので、大事に保管することにした。
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俺はルールを読み込んだ後やることがなくなったため、エレベーターに向かっていた。
アイテムが消えた今、やることといったらエレベーター探索ぐらいしかないのである。
シャッターを開け中に入ったが、エレベーターはしまっていた。
鉄格子が開かなかったのである。
もしかするとゲームの期間中しか開かないのかもしれない。
俺は隈なく調べたがエレベーターが開く気配はなかった。
俺は家に帰ることにした。
家に帰った俺は今後の方針を決めた。
この2週間俺は、毎日エレベーターへと訪れることにした。
なにか変化が起きるかもしれないからである。
だが、何も起きなかった。
2週間の間エレベーターはなんの変化もなく沈黙していた。
そして、そのままゲームの期間に入った。
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朝早く俺はエレベーターへと向かった。
エレベーターの前にある鉄格子はいとも簡単に開いた。
この2週間が嘘のようである。
俺はエレベーターの中に入りボタンを見る。
ボタンの数は3つ、サイズ、形、共に変化はなかった。
俺は今回はすべて同じ階を選択することにした。
調べたいことがあったからである。
選ぶ階層はB1、俺はボタンを押し下へと移動してゆく。
B1に到着した。
部屋は前回来たときと変わらず、白色の部屋だった。
今までと変わらず中央には台が設置されており、そこには箱が置かれてある。
今回の箱の形は段ボールのようであった、ネットで注文した物が家に届く時の箱だった。
ガムテープなどで固定はされてはいなかったため俺は素手で箱を開けた。
箱の中身はナイフでだった。
俺は一瞬ドキッとしたが、これは当たりだと思った。
手にしたナイフは小さく12cmぐらいの大きさだ。
小さいがこれはナイフである。
殺傷能力は見込めるだろう。
おそらく今回も前回と同様、魔物のような敵が出てくるであろうからナイフは有効である。
だが、俺はここで気がついた。
ナイフの刃先が持ち手に沈み込む。
なんとこのナイフは、ドッキリなどで使うナイフであった。
ぬか喜びだった。
俺はナイフを持って家に帰った。
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俺はそれから毎日エレベーターへと足を運んだ。
それにより様々なものを手に入れた。
2日目はヘルメットだった。
そのヘルメットは工事現場などで使われるような形をしていたが、かなり硬かった。
試しに叩いてみたところ、俺の手が悲鳴を上げた。
3日目は縄跳びだ。
庭に出て縄跳びをしたところ、水が出てきた。
水はミスト状だったため、夏にはありがたかった。
4日目は法被だった。
夏祭りで太鼓を叩いている人が着るような法被だ。
試しに来てみたところ花火の音が聞こえた。
5日目はライトだ。
一般的に売られている形のライトだったが、ライトを付けると持ち手の方が光った。
6日目はカラコンだった。
これで俺も充血になることができる。
色々手にしたが今回はあまりぱっとしなかった。
前回は最後にバットを手に入れたことを考えると、今回も最後は良いアイテムかもしれない。
ということで、俺は使えそうなアイテムを手に持ちエレベーターへと向かった。
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俺はヘルメットと縄跳びを手にエレベーターに乗る。
今回ももちろんB1だ、今のところ同じ階層を選び続けても何も起こっていないが、今回はB1を選択し続けよう。
エレベーターを降り箱を開ける。
今回の箱は鉄製だろうか。
鍵穴などがあるが、関係無しに開けることができた。
箱の中身は掃除機だった。
掃除機と言ってもコードレス掃除機だ。
掃除機はかなり軽かった、1キロぐらいだろうか。
企業努力の賜物だ。
今回は武器らしい武器がなかった。
もしかすると掃除機を振り回すのかもしれない。
わざわざ軽いモデルにしてあるところを見るに、普通に有り得そうである。
ヘルメットや縄跳びでは戦闘は厳しいだろう。
エレベーターの外に出ると戦闘が始まる。
俺は覚悟を決めて外に出た。
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外に出るとエレベーターが動き出した。
上の階へと。
少し待つと、エレベーターが戻ってきて扉が開かれる。
中から出てきたのはゴブリンだった。
サイズは1メートルぐらいだろうか、小学生ぐらいの背丈に見える。
肌の色は緑色で、腰には布を巻いている。
これも前回のスライムと同様、多くの人が思い浮かべるゴブリン像であろう。
俺は掃除機を構えた。
今回の配給品的に、まともに攻撃できるものが掃除機しかないからである。
そして、頭にはヘルメットを被っている。
なかなか世紀末的な戦い方だ。
そしてゴブリンを睨む。
そうしたら向こうも睨み返してきた、怖い。
そうして睨み合っていると、ゴブリンが迫ってきた。
ゴブリンは何も持っていない、素手である。
俺は掃除機のリーチを活かしながらバックステップで応戦した。
旗から見たらなかなか惨めな光景である。
ゴブリンは飛びかかってきたり、走ってきたりするが全体的に遅い。
手を振り回している間に俺は懐に入り攻撃することができる。
だが、あまり有効打にはなっていない。
これでいい。
ちまちま攻撃していこう。
時間制限があるわけではない、それに少しずつ効いているみたいだ。
ゴブリンの動きにキレがない。
俺はその隙に後ろに回り込む。
そして後頭部を思いっきりぶっ叩いた。
ゴブリンは反応しようとしたが遅かった。
俺の攻撃は致命傷となった。
俺は追撃を入れた。
何回も殴っていくうちに申し訳ない気持ちになったが、しょうがないと思って殴る。
俺も死にたくないからだ。
ゴブリンは倒れた。
だが、前回のように消滅していないため、俺はもう一度殴った。
ゴブリンが消滅していく。
なんだか死体撃ちをしたみたいで気分が悪いが、勝ちは勝ちである。
今回のゴブリンはスライム以上に強敵であったが、難なく倒すことができた。
もともと運動神経が良かったからだろうか。
ひとまず帰るか。
その場を少し確認した後俺は家へ戻った。
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これを続けていくのだろうか。
それはそれでいい。
結構楽しいからな、普段暇な時間で楽しめそうだ。
だが、今日で夏休みも終わりだ。
明日からは学校が再開する。
エレベーターへと行く作業も、敵を倒す作業もそこまで時間がかからないので問題はないと思う。
そう思い俺はベットで眠った。
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俺は目を覚ました。
そして制服へと着替え朝ごはんを食べた。
「行ってきます」
俺は学校へと向かった。




