第一話「不思議なエレベーター」
8月が始まってすぐの頃、俺は出かけることにした。
俺の名前は遠崎龍介。
高校1年生だ。
おれは夏休み真っ只中の今日、出かけに行く。
なぜかというと、暇だったからである。
夏休みの宿題を、死んだ顔をして終わらせたのが昨日だ。
普通夏休みの宿題は、最終日にやるものという事を言うやつもいるだろう。
しかし、それは夏休みやることがある、やりたいことがあるもののみが取る行動である。
つまり、俺は夏休みに何もすることがなかった。
今年入った高校には、校内では話すような知り合いは何人かはいるが、遊びに行くような友人は作れなかった。
なので暇な俺は、散歩をしに家を出たのである。
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どこに行こうか。
散歩を始めたはいいものの、行きたい場所などもちろんなかった。
もう少し歩いたら帰るか...
俺はそんな事を考えつつ歩いていると、ふと思い出した。
そういえばもう少し歩いたら、昔近所のやつらと遊んだ秘密基地があったな。
昔俺と遊んでいた近所の奴ら、もう名前は覚えてないけど元気かな。
きっと俺とは違って、順風満帆な学校生活を送っているのだろう。
まあそんなことはどうでもいい、俺は今日の目的を見つけた。
とりあえず秘密基地に向かってみることにした。
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10分ほど歩いただろうか。
俺の目の前に、見たことがない建物が建っていた。
ここは空き地だったから、何かしらの建物が建ったのだろうと思ったが、そうではないみたいだ。
明らかに年季が入っていた建物は、空き家というよりは倉庫だった。
建物の壁はヒビが入っており、植物も生え放題になっている。
しかしその倉庫を見て俺は気づいた。
おかしい。
俺は建物に詳しいわけではないので、なんとなくでしかわからないが、俺の目の前にある建物はかなり昔、おそらく数十年前頃に建てられたと思われる建物のように見えた。
俺達が遊んでいた頃は数年前。
時代が合わない。
俺の見立てがおかしいのだろうか。
もしかすると俺達が遊んでいた頃、既に建っていたのかもしれないが、少なくとも俺の記憶には残っていなかった。
気になった俺は、倉庫を覗いてみることにした。
シャッターを開けて中に入る。
年季が入っていたので重いと思っていたが、意外と軽かった。
シャッターを開けた俺は中にはいった。
そこで俺の目の前にあるものが映る。
そこにはエレベーターがあった。
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なぜ、なぜここにエレベーターが、そう思った。
俺の目の前にあるエレベーターは、昭和の頃に使われていたものに見えた。
エレベータの前を鉄格子が塞いでいる。
俺はそこまで昔のことに詳しい訳では無いが、テレビかなにかで見たことがある。
建物のことを古いと思ったが、中にあるエレベーターはさらに古かった。
謎の建物の中にある古いエレベーター、怪しさ満載だ。
というかこのエレベーターは、どこにつながっているのだろう。
もしかしたらこのエレベーターは、地下につながっているのかもしれない。
地下室があるかもしれない。
少しワクワクした。
俺がもう少し幼かったら間違いなく乗っただろう。
だが流石に怪しすぎる。
今回は何も見ていない。
そうだ何も見ていないことにして早くここを出よう。
俺の本能がそう告げた。
だが俺は好奇心に勝てなかった。
俺は鉄格子を横にずらしエレベーターの中に入った。
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気づけば中にいた。
足が勝手に動いたとでも言うのだろうか。
俺は滑らかな足取りで、中に入った。
せっかく入ったので、俺は少しエレベーターの中を観察した。
そして俺はまた違和感を感じ取る。
中にはボタンがあった。
自分の行き先を決めるボタンが。
確かテレビで見たエレベーターは手動だった気がする。
だが記憶違いだろうか。
否、違う。
なぜなら、昭和の古めかしいエレベーターとはミスマッチな現代風なボタンが、そのエレベーターには取り付けられていた。
そして行き先はB1の一種類のみ。
気味が悪いそう思った。
なので、俺はボタンを押してB1階へと向かった。
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まただ、また勝手に体が動いた。
俺の意志とは関係無しに指が動いた。
これは好奇心で動いたものではない。
ガコン
B1階へとついた、そして扉を開ける。
おれがそこで見たのは、白い部屋だった。
2〜3メートルの立方体の部屋。
その中央には台が置いてある。
そして、台の上には箱があった。
無機質な箱だった。
これもまた白かった。
背景と一緒の色で見えづらい。
白い部屋に、白い箱。
流石に気になってしまった。
不気味さより好奇心が勝ってしまった。
今回は自分の意志で箱を開けた。
箱の中身は鍵だった。
鍵は白くなかった。
家の鍵と同じように金属だった。
持ち手部分には、よくわからない模様が刻まれている。
これはなんの鍵だろう。
そう思ったが特に説明はされなかった。
というより何も起きなかった。
数分待ったが、なんの変化もない。
俺は少しがっかりしたが、次第に怖くなってきたので、家に帰ることにした。
帰りはすべて自分の意志で帰れた。
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家に帰り俺は鍵を眺めていた。
この鍵はなんだろう、あの場所はなんだろうと、いろいろ考えたが結局わからなかったため、鍵を引き出しに入れベットで眠る。
朝目覚めた俺は、引き出しの中を見る。
引き出しの中には鍵があった。
こういう時次の日に鍵はなくなるもんだと思っていたが、そうではなかったらしい。
ホラー展開にならなくてよかった。
俺は昨日の場所に行こうと考えたが、ろくなことにならなそうなため行くのをやめた。
そして、3日間俺は家でダラダラして過ごした。
好奇心に負けそうになったが耐えたのだ。
ところが4日目、何を思ったのかエレベーターの様子見ることにした。
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ボロい建物の方は特に変化がなかった。
しかし、エレベーターは中のボタンが3つに増えていた。
ホラーである。
行くべきか、行かないべきか、もちろん行かないべきだろう。
しかし前回は鍵をもらった。
今回は何がもらえるのか、気になってしまった。
前回の鍵も何に使うのか結局わからなかった。
せめて鍵の使い方でも知っておきたい。
俺はB2のボタンを押した。
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場所は前回と変わらず、白い場所だった。
サイズもおそらく変わっていない。
だが、箱が変わっていた。
前回の無機質な箱から変わって、海賊漫画に出てきそうな宝箱に変わっていた。
流石にワクワクする。
宝箱だからだろうか、箱の中身が気になってしょうがなかった。
早速宝箱を開けてみた。
中には、目覚まし時計が入っていた。
スタンダートなタイプだ、ベルを叩いて音を出す目覚まし時計。
別に嬉しくなかった。
宝箱のワクワクを返してほしい。
宝箱に目覚まし時計、あまりにもミスマッチだ。
一応、この日は目覚まし時計を家に持って帰った。
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ジリリリリリ
俺は目覚まし時計に起こされた。
昨日持って帰ってきたものを昨日セットして寝たのである。
しかしうるさい。
目覚まし時計にこんな音出せるのだろうか。
いや、出してはいなかった。
音を出していないのになぜ、音が聞こえるのか。
そこで俺は気がついた。
目覚まし時計が俺の脳内に直接音を鳴らしていたのだ。
俺は急いで目を覚まして、目覚まし時計を調べた
特に怪しいところはなかった。
至って普通の目覚まし時計だった。
しかし普通ではない、もう一度鳴らしたところ本当に脳内に届いた。
この目覚まし時計は脳内に音を直接鳴らせる目覚まし時計だったのである。
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俺は今日もエレベーターへと向かった。
目覚まし時計が普通ではなかったからである。
今回も特別なものがもらえるのではないかそう思ったのだ。
今日は昨日と同じくボタンは3つだった。
今日はB3に行くことにした。
エレベーターを降りると、相変わらずの白い部屋だった。
今までと同じである。
しかし、箱の形は違っていた。
近未来世界にあるような箱であった。
四角の箱だが、凹凸や模様がメカメカしい。
今回も少し期待していた。
今回箱の中に入っていたものはメガネだった。
メガネというよりはサングラスだろう。
逆三角形のような形のレンズをしていた。
正直かなりダサいが、大事なのは内容だ。
今回どんなことが起こるのだろうか、ワクワクして家に帰る。
家に帰ってすぐに調べた。
今回のサングラスは、サングラスを掛けるとレンズから光が出るようだ。
かなりしょぼい。
脳内に直接来る衝撃は超えられなかった。
こんなサングラスは、ド◯キあたりに売ってそうである。
だがなんとなく、エレベーターの下には、少し不思議なアイテムがあるのだろうということがわかった。
翌日、俺は今日もエレベーターに足を運んだ。
今日はスプーンがもらえた。
持つと折れ曲がるそうだ。
もらえるものの宴会感がすごい。
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今日も今日とて俺は、エレベーターに向かうことにした。
しょぼいものでも、やはりエレベーターに向かう瞬間は楽しい。
ガシャを回している気分だ。
今日もボタンを押し地下へ行く。
今回の箱はシンプルだった。
お店に行って、商品入れてもらうような箱である。
その中には、バットが入っていた。
持ってみると、プラスチック製であることがわかった。
俺はそのバットを持って外に出た。
今日のバットはどう言うことができるのだろうと、ワクワクしながら外に出た。
するとエレベーターが動いた。
いきなりなんの前触れもなく、エレベーターが動いたのである。
俺は流石にびっくりした。
自分がなにかしてしまったのではないか、と思ったからである。
真偽はわからないが、エレベーターは動き出した。
上の階にである。
今まで下の階にしか選択ができなかったエレベーターが、上の階へと向かった。
それより、この建物には上の階があるのだと、そう思われるだけのサイズがなかった。
何もないところを目指して、エレベーターは動き始めたのである。
ガゴン
エレベーターが下に向けて移動を始めた。
上にはいったのだろうか。
エレベーターはゆっくりと降下している。
ガゴン
エレベーターの扉が開いていく。
ゆっくりと中から何かが出てくる。
すると、スライムが出てきた。
俺の目の前にスライムがいる。
ゲームとかで出てくるようなスライムである。
サイズはおそらく手のひらサイズ、色は透明な水色、スライムと言ったらの色だろう。
スライムには目などはなかった。
だがわかる。
今見られている。
スライムと目が合っている感覚がある。
次の瞬間スライムは飛び出した。
俺めがけて飛んできた。
俺はとっさに避けようとしたが、このスライムかなり早い、避けきれず俺はふっとばされた。
ふっとばされたが大したダメージではない。
せいぜい大人に思いっきり吹き飛ばされたぐらいである。
急に出てきたスライム。
多分倒さないといけないな。
スライムは追撃をかけようと更に飛び込む。
遠崎はとっさにそれを避ける。
かなり早いが一直線に飛び込んでくるだけ、ならそこに合わせて反撃だ。
幸いバットは持ってるしな。
「うしっ」
遠崎はバットを構える。
スライムを見る。
スライムが飛んでくる。
横に避ける、そして思いっきり振りかぶって、振るう。
「ハアアァァ!」
バットはスライムにクリーンヒット。
スライムはふっとばされた、そして壁にぶつかった。
その衝撃でスライムは消滅した。
何だったんだ・・・。
次の瞬間バットが巻物に変化した。
!?
巻物を広げる。
「は?」
巻物に書かれたことを見て、遠崎は目を見開く。
そこにはエレベーターのルールが書かれていた。
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<ルール>
・2週間につき1回のゲームを行う。
・ゲームは1週間使い行われる。
・ゲーム中1日1回の配給がエレベーターで行われる。
・配給をもらわない場合日をまたぐと配給品は消滅する。
・ゲームは7日目の配給終了後行われる。
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