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剥がれる言葉
白かった。
顔のように見える。
けれど、顔と呼ぶには輪郭が曖昧だった。
目があるようで、ない。
口があるようで、ない。
表情はないのに、こちらを向いている気配だけがある。
透真が見上げる前で、「成長」の文字も剥がれた。
続けて、「本質」も。
白いものが、広告の裏からいくつも覗く。
透真は思わずスマホを取り出した。
カメラを向ける。
画面を確認する。
そこには普通の広告しか映っていなかった。
自由。
成長。
本質。
きれいに整った、ただの白い文字。
透真は現実のビジョンを見上げ、もう一度スマホを見る。
違う。
明らかに違う。
透真
「……映らないのか。」
透真
「なんなんだよ、これ」




