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誰も見ていない

挿絵(By みてみん)

透真は周囲を見回した。


サラリーマン。

学生。

カップル。

観光客。

誰も足を止めていない。


見えていない。


その結論は、思ったより早く出た。


もし見えていたら、誰か一人くらいは空を見上げる。

誰か一人くらいは騒ぐ。

なのに全員、普通に歩いている。


白い異形の下を。


透真は近くの男に声をかけそうになって、やめた。

やめてから、やっぱり聞いた。


透真

「……あの、上、なんか変じゃないですか」


通行人

「上?」


男は一瞬だけビジョンを見る。


通行人

「広告ですか?」


透真

「……いえ、すみません」


男は怪訝そうな顔で去っていく。


透真は小さく息を吐いた。


見えていない。

本当に、自分にしか。

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