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「岸田君、ご苦労さん。ちょっと、休もう。私も立ちっぱなしで、少し疲れたよ」
教授は無事に試運転が成功した安心感からか、ふらふらとフロアに座り込んだ。
「教授! 大丈夫ですかっ!」
但馬が素早く駆け寄る。その姿は誰の目にも小判鮫に見えた。そのとき、後藤が走って戻ってきた。いつの間にか姿を消していたのだ。両手には自動販売機で買ったと思われる缶コーヒーを5本持ち、得意満面の笑みを浮かべて近づいてきた。
「皆さん、どうぞっ!」
全ての目が後藤に注がれる。
「なんだね、君。こんな大事な時に…そんなものを」
山盛教授は急に機嫌を損ねた。
「どうも、すんません…」
「まあ、いいが。喉も渇いておったところだし…」
それ以上、教授は言わなかった。まあ、カップコーヒーじゃないから…と、胸を撫で下したのは保だけではなかっただろう。フケの飛び散るアフロヘアーで運ばれたのでは飲む気も失せる。後藤が手渡すのと同時にそれぞれ硬貨を出し缶コーヒーを手にする。そして、後藤が最後の2本の1本を沙耶に手渡そうとした。
『あっ! 後藤さん。私、いいんです』
「えっ?! いいんですか?」
『はい…』




