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 気づけばマンションへ戻っていた。部屋のドアを開け、中へ入った途端、まるで落ち武者だな…と保は思えた。ふと見れば、しっかりと沙耶の手を握っている。どうも地下鉄に乗る前から握っていた感触だった。じっとりと汗ばんで熱ばっていた。沙耶は保に対しては従順に対応するように出来ているから、長く握られたままでも文句を言わなかった・・というのではない。それは人間の場合の感性で、アンドロイドの沙耶は熱感知とかの感覚感知機能が組まれている。ただ、嫌悪感とかの感情はOFFされる仕組みになっていた。しかし、機能に異常が生じた今回のような場合は、気持が悪いとか気分が悪いとか言ってパフォーマンスできるプログラムは組まれていた。

「どうだ、今の気分は?」

『悪くはないわ。ただ、補助機能を使ってるから、少し疲れたみたい』

「ははは…。疲れたみたいか」

『だって、そう言うんでしょ? 普通は』

「ああ、まあそうだな…」

 沙耶の言葉は間違っていない。人間の感覚機能がないからだ。保はこの機能を開発すれば、もっと人間っぽくなるのだが…と、ふと思った。その直後、いやいや、そんな場合じゃない! すぐ組み直さないと・・と思え、すぐパソコン椅子へ座った。靴を脱いだ沙耶は、きちんと玄関を整頓すると、保の前へ来た。

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