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『分かったわ! 過剰電流が流れたとき、私の身体が強い電磁波を感知して初期化したみたい。今は非常用回路で補ってるから大丈夫』

 ニコリと笑って、沙耶は余裕を見せた。保の方は全然、余裕がない。強力電磁波の影響までは考えず対策が立てられていなかった。こりゃ、さっそく高レベル電磁波に対する防御システムを組まなければ・・と思えた。幸い、山盛教授の了解は取ってあるから、すぐに戻ろう・・と、保は動いた。

 通用口で保は窓ガラスを開けた。

「すみません。返ります」

「岸田さん、偉く早いですなぁ~。何か急用でも?」

「ちょっと、従兄妹が頭痛がするとかで、連れて帰ります」

「そりゃ、いけませんな。お大事に…」 

 沙耶は一礼し、名札を外すと老いたガードマンに返した。保はそのとき、もう外へ飛び出していた。肝心かなめの沙耶がまだ建物の中にいるのだが、気持がいていた。よく考えれば、保より先に沙耶が急がなければならないのだが…。

 ともかく、保はバタバタと沙耶の手を引いて地下鉄に乗りこんだ。これも、あとから落ち着いて考えれば、遠隔操作機により補助システムが作動しているのだから、急がねばならない必要はないのだ。しかし、保の頭は、もし、このことが世間に分かれば…ということ以外、巡っていなかった。

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