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「ど、どうしたんだ、沙耶!」

 声をかけて顔を見ると、沙耶は宙を見据えたまま、息遣(づか)いが激しくなっている。もちろんその息遣いは人工の呼吸で生理的なものではない。保は咄嗟とっさの判断で、危ない! と感じた。沙耶のメカのこともあるが、それ以上に、沙耶がアンドロイドだと研究室の者に知られる事態だけは避けないと…と瞬間、感じたのだ。

「すみません! 教授、ちょっと失礼します」

 言葉よりも先に、保の身体は沙耶の手を握り、研究室の外へ向かっていた。

「ああ、ここはいいから! すぐ帰りなさい!」

「有難うございます! あとから連絡します!」

 保は沙耶ととも研究室を出てドアを閉じた。

「沙耶、大丈夫か!?」

『チットモ大丈夫ジャナイ・・ミタイ』

 こりゃ駄目だ…と思え、保はポケットに忍ばせた手動用の遠隔操作機を作動させた。電源ONとともに、沙耶の非常用予備回路が作動するシステムになっている。

『戻ったみたい。ふぅ~、やれやれ…。どうしたんだろう、私。ちょっと調べてみるね』

 そういうと、沙耶は廊下で停止し、目をつむった。そして、すぐにまぶたを開けた。

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