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警報を出さなければならない場合だと、沙耶の最終試験は不合格だし再度、プログラムの組み直しが必要になる。話に釘を刺すくらいのことは世間によくある話で、とり分けて変ということではない。

 幸い、沙耶はそれ以上、但馬を追及しなかった。まあ、ともかく、よかったと、保は、ほっとした。しかし、そのほっとした安心感は束の間のものだった。

「教授、電磁コイルの電圧を上げます」

「ああ…」

 後藤がこのとき単純ミスを犯さなければ、何のトラブルもならなかったのだが、浮かれた後藤はポカをやった。電圧の目盛を読み違え、つまみを回し過ぎたのだ。瞬間、過剰電流が流れ、ローラーのコイルが焼け切れるきな臭い煙が立ち昇った。慌てたのは後藤だけではない。教授もパニックである。

「後藤君!! な、何をやっとるんだっ! 早く、切れっ!!」

「は…はいっ!!」

 もちろん、後藤もうろたえている。彼はすぐに電源を落とした。電圧の目盛は針が焼け切れ、上がったままである。しばらくすると、煙は小さくなり、そして消えた。後藤も教授も、やれやれである。これで正常に戻ったと、研究室員全員が安心したその矢先である。沙耶が急に立ち上がり、保の机へ近づいた。

『保…キ、キブンガワルイ…』

 保は身体中から血の気が引いた。

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