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「おはよう…。おや、どこのお嬢さんかな? ははは…。この研究室に女性は初めてだが…」

 ニンマリしながら教授は沙耶を見た。

「あのう…田舎の従兄妹いとこです。見学したいって言うもんで…」

 保はシミュレートした通りの出任でまかせを、すんなりと口にした。

「あっ、そうなの…。岸田君の従兄妹さんか。私、研究室の山盛です」

「岸田の従兄妹の沙耶です」

 山盛教授に合わせるかのように沙耶は頭を下げた。誰も気づいていないようだし、沙耶の対応、行動パターンも、まずまずだ…と保は思った。問題は、これからだが、さてどうなるか・・と気を引き締めた。

「まあね…。こんなことをしてるんですよ」

 山盛教授は自動補足機を沙耶に示した。

『エスカレーターに乗るようなものなんですか?』

「…ちょっと違いますが、ある意味で違わなくもない。まあ、エスカレーターの一人用と考えてもらえれば…」

『なんとなく分かります』

「分かってもらえますか?」

 沙耶が簡単に理解を示したことで、教授はご満悦だ。

「沙耶、しばらく見てれば、俺達がやってることが分かるさ」

 保は、これ以上、会話がはずめば危険と判断して、沙耶に釘を刺した。

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