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二人は最近の愚痴を小一時間ほど話しながら酒を飲み、適当に注文した肴を摘んだ。いつの間にか保はチューハイを二杯ばかり飲んで、ほろ酔い加減になっていた。中林も、かなり出来上がっていた。
「お勘定!」
保は切りがないな…と思え、室川へ静かに言った。
「さよですか…」
室川は、いつの間にやら走り書いた伝票をカウンターへ置いた。
「これで結構です。また、ご贔屓に!」
保は財布から紙幣を出して置く。中林はカウンターに顔を埋めていた。
「おい! 行くぞ!」
思い切り揺すると、寝ぼけ顔で中林がスクッ! と直立した。
「お前、大丈夫か?」
「…ああ」
室川も若い板前もニヤリと笑っている。
「中林さんは、いつもこの程度で限界なんです」
「ははは…。お前、すっかり弱くなったな。こんなんじゃなかったぜ、前は。さあ! 行くか。それじゃ…」
「また、お越しを!」「有難うございました!」
保が戸を開けたとき、後ろから声が飛んだ。隅の席の客は、まだウダウダとやっていた。中林は軽くふらつきながらも保に続いた。外はすっかり暗くなっていた。




