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そうこうするうちに話は纏まってお買い上げになった。沙耶は、あとはお任せ・・のような顔で保を見て微笑んだ。保はゾッと寒気がした。支払うのは自分だからだ。渋々、保は財布を出しながらウインドウの隅から会計へと向かった。いくらかテンションが下がったのは仕方ない。これも郊外試験だからな…と自分に言い聞かせ、保は金を支払った。

「奥様でいらっしゃいますか? 旦那様もお幸せでございますわね、お綺麗で。ほほほ…」

 嫌味かっ! と保は少し怒りが込み上げたが、我慢して抑えた。結果、沙耶の試験は首尾よくいったのだから、いいじゃないかと、また自分に言い聞かせながら店を出た。この日の沙耶はプログラムが効いたのか買った服を着なかった。保は沙耶が脱いだ服を持たされる必要はなかったが、新しい服の入った紙袋は持たされたから、結果は余り変わらなかった。食材を近くのデパ地下で適当に買ったあと、二人? はマンションへ帰った。沙耶は帰路の地下鉄の中も吊革を握り、ごく普通に揺られていた。その姿には前のような違和感はなかった。まあ、こんなもんだろう…と保は思った。

「仮免は一応、OKだ、沙耶」

『そう? あの感じならいいのね』

「ああ、まあな…。過激な発言は困るが、以前のようなこともなかったしな」

『それよか、声をかけてきた男、あれ誰?』

「んっ? ああ、この前さ、沙耶がからまれた男だ。その記憶データは消去したから、沙耶には分からんよ」

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