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まあ、傘があるから、取り分けて困ることもない。二人? は前回と同じルートを巡ることした。沙耶がモンタナで新しく買いたいものがあると言ったせいもある。沙耶の行動修正は、①人間と比較して不自然な動き、② 〃 不自然な言動、の二点である。さらに、対応を困った場合には、保へ警報電波を発して知らせる機能も緊急退避プログラムへ加えられていた。

 マンションを一歩出ると、外はザァザァと雨粒が落ちいた。女物の傘がなかったから、沙耶も保と同じ男物の傘で出た。こういうことは世間で日常茶飯事だから違和感はない。対向で歩道を通り過ぎる人も二人? を特段、意識する人はいなかった。

「あんた、この前のお嬢さんだよね?」

 地下鉄階段を出口へ上がろうとした矢先、沙耶の後ろから近づく一人の中年男が声をかけた。保も沙耶も同時に振り返っていた。

「この前は、少し興奮したようで失敬した。どうだい? 改めてその気は?」

「あんたか! 沙耶に声をかけたって男は!」

 どういう訳か、沙耶よりも保の方が興奮していた。

「そういう、あんたは誰だ?」

「誰って…沙耶の保護者だ!」

 あとから思えば、なぜ保護者と言ったのかが保には分からなかった。恋人とか兄だったら、ごく普通のよくあるパターンだったのだが…。

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