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「仮免?」
「そうさ、仮免許。郊外試験さ。外へ連れ出して普通に行動、話せるかって試験だ」
「一週間前のは、それか?」
「ああ、そういうことだ」
保は長話で、すっかり眠気が消えていた。
「一度、そのアンドロイド、会ってみたいものだ。機会があったら連れてきてくれよ」
「ああ、そのうちな…。ところで、教授は寄ってるか?」
「お前とこの先生か。時折りお見えになって、大将と話してる」
「馬飼さんと教授は、つきあいが長いからな。俺とお前のようなもんだ」
「ははは…そうなるかな。それじゃ、近いうちにな。遅くに、すまん」
携帯が切れたあと、保はしばらく眠れないまま起きていた。キッチンの冷蔵庫から缶ビールと沙耶が作った炒めものの残りをだし、テーブルで飲みながら食す。フィニッシュして食器を洗い、口を漱いで歯を磨く。そして、ベッドへと滑り込む。眠くなるほどではないが、身体が少し火照って、保はいつの間か深い眠りへと誘われていった。
次の日からしばらくは事もなげに日が過ぎ去った。保の休日が近づき、沙耶の郊外試験がふたたび巡ってきた。その日まで沙耶は家事を手抜かりなく努め、保との接遇も適切に熟していた。保も今度こそは大丈夫だろう…と密かに期待していた。
試験の当日は生憎、雨が降っていた。




