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「ああ、中に入れておいてくれたね」

「はい!」

 責任者風の男は山盛教授に一枚の伝票を渡し鍵を返した。

「ここに判子、下さい。サインでも結構です!」

「ああ…」

 言われるまま、教授は渡されたボールペンでサインした。

「それじゃ、僕達は、これで…」

「そう? …ごくろうさん」

 教授は男達が立ち去る後ろ姿に軽くねぎらいの言葉を投げかけた。

「あとは組立ですわな」

 後藤がいつもの訛りを繰り出した。教授は笑顔でうなずいたが、返答はしなかった。

「組み立てたあと、どうされます?」

 但馬は後藤のような不躾ぶしつけな質問はせず、教授を下手からうかがった。

「今日のところはここへ置いて、一端、帰ろう。別の日に改めて出直せばいい。飛行実施の細かな準備もあるから、朝一の方がいいだろう…」

「分かりました」

 小判鮫の但馬は素直に従った。保と後藤は、すでに5パーツの梱包を外していた。

 一方その頃、沙耶は三井へ携帯をかけようとしていた。すでに正午前である。

『はい、三井ですが…』

『私よ。今日、保は飛行車の組立で大磯の方へ行ったわ』

『大磯ですか…。今の季節ですと、上手い具合に人目もありませんから好都合ですね』

『まあ、そういうことだわね』

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