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『ふ~ん…』

 ただ聞いていた沙耶だったが、三井にまつわる一つの大きな発想が湧きつつあった。それは話題になっている飛行車で三井と姿をくらまそう・・という発想である。元来、二人? は、警察の捜索対象にはならないアンドロイドだから、その利点を有効に活用できる…と沙耶の思考回路が瞬時に判断し、発想を与えたのだ。飛行車が行方不明になれば、研究室が大騒ぎになることは必定だった。だから、飛行車が使われないと推察できる夜間を利用して活動を…と考えたのだ。━ 保がいるから情報には事欠かないわ… ━ と沙耶は思った。飛行車が使用可能かは保にけば分かるのだ。しかしいずれは保とも離れる・・という前提条件があった。そう思えば、少し悪びれる感情が走った。もちろん人間のような感情ではなくプログラムされていない後天的学習による新たな行動へのマイナス思考だと感情システムが認識した結果だった。

 二日後の土曜が巡った。沙耶が三井と約した技能研修日である。夜11時が約束の時間だったから、沙耶は保が寝入った10時過ぎ、マンション外へ抜け出た。遠隔地ながら、この深夜帯なら半時間ほどで三井がいる長左衛門の離れまでは到達できるとシステムは緻密な計算をしていた。そして、その計算どおりの結果が深夜11時、三井の前で起きたのである。沙耶は快調に走り、約束の11時より15分ばかり前に三井の町へ入った。そこで走行より歩行に切りかえ、離れに、きっかり着いた訳だ。

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