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「この海岸なら東京からそう遠くないし、いいですよね…」

 内心ではこんな遠くまで行かなくっても…と思っている但馬は、いつものように真逆の言動で小判鮫ぶりを発揮した。

「しかし、ちょっと遠いのと違いますか? そない思えるけどなあ~」

「君は黙ってろ!」

 少し虫の居どころが悪かったのか、但馬は後藤をたしなめた。

「まあまあ、両君とも…。私も実はそう思ったんだが、ちょうど私の友人の別荘がここにあってね。夏場以外は使わないから好きに使ってくれて構わん・・と、まあ、こうだ。ははは…」

「そりゃ、いいですなあ。それなら僕も異論、あらしません」

 保は黙って三人の会話を聞いていた。

「まずは、この別荘へ飛行車を運ぶ。しかし、自動補足機のときと違い、今回は、かなり大きいから、普通車では無理だ。そこで私は考えた。どうすると思う? 君達、考えてくれ」

 山盛教授はそう言うと、ニンマリと笑った。まるで推理ドラマの場面である。

梱包こんぽうして姿を分からなくさせたあと、運送会社に頼んで運んでもらう・・ですか?」

「ピンポ~ン! だ、岸田君。さすがは我が研究室のホープだけのことはある」

 それまで黙っていた保が、フロアへ降りたあと初めて口を開けたが、その言動がものの見事に的中したのだった。面白くないのは当然、但馬で、顔の表情が苦虫を噛み潰したように引きった。

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