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それには、非常事態に際して緊急着陸、さらにそれが不可能な場合、上空での緊急脱出出来るシステムを含んでいた。すべてを捨てても人命優先で最高の安全性が担保されることが求められるのだ。

「ともかく、明日は100%に近づけよう!」

 缶ビールのプルトップを抜いてグビグビと半分ほどを一気に飲み、一端、起きた但馬は、応接セットの長椅子にふたたび横たわった。ベッド代わりの長椅子だ。

「岸田君、もう眠ったか?」

「いえ…」

「ともかく明日は、100%に近づけよう」

「はいっ!」

 総責任者に奉られた保だったが、それは教授がいるときの名目で、教授がいない今は、どちらが総責任者なのか分からず、但馬にはまったく歯が立たなかった。なにせ相手は講師であり、技術力は上でも自分は一介の助手に過ぎなかったからだ。飛行車はメカ的には完璧に組み立てられていた。むろん、それは保が総責任者として全パーツに介入したからで、保の技術力抜きでは到底あり得ない出来だったのである。この技術は自動補足機と同様、世界に先駆けており、世間に公表すれば今度こそノーベル賞は疑う余地がなかった。しかし、今の山盛教授はメディアに対して、かなり意固地になっていた。それというのも、内心では密かに受賞を期待していたのを見事に裏切られたからで、教授の心は意地でも貰ってやるものか! と、少なからずひねくれていたのである。

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