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いわば、人間でいうところの交感⇔副交感神経の作用にも似たプログラムが沙耶の脳裡(感情システム)を駆け巡ったといえる。

『…まあ、異常なさそうだし、いいか…』

 どちらにしろ、明後日あさってには研究室に泊り込んだ保が帰ってくるのだ。三井のいる田舎まで一度、往復したぐらいで、システムに異常が出るはずはなかった。最悪、出たとしても、補助システムもあるから慌てることはないし、マンションにいるのだから、保が帰ってから言ったとしても事足りるのだ。といっても、沙耶が慌てるということはなく、修正プログラムの回路が慌ただしく駆け巡るだけで、沙耶自身は至極、冷静なのだが、外見上で表情システムが慌てているように見せているだけだった。

 二日後に帰ると言った保は研究室内のフロアでシュラフに入って眠っていた。さすがに教授だけは泊り込まずに自宅へ一端、帰ったが、講師の但馬を筆頭に研究室員は室内の各々の場所で眠っていた。後藤はシュラフが落ちつかないらしく、毛布二枚を上下にしてフロアで眠っている。但馬は応接セットの長椅子をペッド代わりにして眠っていた。山好きの保はシュラフで眠る方が返って好都合だった。飛行車エアカーのデバッグetc.の最終チェックはあたかも打ち上げ前のロケットの管制室にも似て、細部に至る念入りな点検が行われていた。飛んだは、いいが、しばらくして墜落! という事態は許されないのだ。人命が損なわれないよう、ほぼ100%の成功率が求められていた。

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