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「あっ! すみません。俺が待ち合わせの場所、間違えてました!」
よくもまあ、ペラペラ出鱈目が言えたな・・と交番を飛び出して保は思った。
沙耶は本格的な勧誘を受けていた。
「まあ、そういうことだからさ。…どうよ?」
『どうよ、と言われても…』
「まあ、すぐにと言われても君も困るだろうから…。さっきの名刺、持ってる?」
沙耶はバッグに入れた名刺を差し出した。男は名刺を裏返すと、そこに電話番号らしい数字をペン書きした。
「ここにさ、気が向いたら電話してよ。俺の直通携帯!」
男に快活に言われ、沙耶の第六感が感知した。
『あなた、私でひと儲け、するつもりね!』
「えっ!! 何を言うんだ、急に。人聞きが悪い!」
『だって、あなたの言葉にそう書いてあるもん』
「言葉に書いてある? 君、少しおかしいんじゃないかっ!」
『おかしいのは、そっちでしょ! だいいち、私は保の許可がないと、そんなこと出来ないんですぅ~~』
沙耶は男の顔を見て、あっかんべぇ~をした。
「失敬な奴だ! もういい!!」
怒って立った男は注文伝票を手にし、レジへ早足に行った。そしてウエイトレスに渡しながら、腹の虫がおさまらないのか、八つ当たりした。




