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 機体は順調にグラウンド上空を旋回しながら10分ばかり飛んだあと、ふたたび保達の近くへ無事、軟着陸した。

「飛行はとりあえず、これでOKのようです。今後は緊急時の安全性ですね」

「そうだね。耐熱性の安全バルーンが緊急時に膨らみ、機体が浮上を維持できるかだが…」

「僕は大丈夫だとは思うんですが…」

「いやいや、私だって上手くいくと思うさ。はっはっはっはっ…」

 教授が笑い、保も笑った。二人の話を後藤は笑顔でただ聞いている。但馬だけが少し面白くないのか、苦虫を噛み潰したような顔で見ていた。飛行車の構造は、根本的に従来の飛行概念をくつがえすもので、物体の揚力を得る仕組みが全て違っていた。この揚力を得る新理論だけでも十分、ノーベル賞に値するものだった。沙耶がこの設計構造をプログラムに組んだとき、保は唖然としたほどである。この理論でいけば、空飛ぶ円盤に代表されるUFO(未確認飛行物体)とかの飛行物もSFではなくなり、現実に有り得る…と、保自身を思わせたのだ。

 その頃、沙耶と三井は、どんどん機械工学の知識を蓄積していた。双方とも、機械というものの本質に目覚めていくうちに、アンドロイドである自分達のアイデンティティ(主体性)に目覚めていった。二人? には互いに遠方に離れているという距離感はなかった。

『はい! 今週の情報交換は、ここまでに致しましょう。それにしても、人間の行動は妙ですよね。住みよい国をポイ捨てゴミとかで、わざわざ汚してます』

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