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『あらっ?! 里彩ちゃんどうしたの?』

「お腹がすいたの…」

『そう…』

「何か作ってやってくれよ」

 保が付け加えてそう言った。

「ははは・・・すまんが、わしもいささか、ひもじくてのう。沙耶さん、ひとつ頼もうか…」

『里彩ちゃんは分かるとして、和食がよろしゅうございますか?』

「いや、口に入るものならば何でも食べますでな。気にせんで下され」

 保は黙って二人の遣り取りを聞いていた。それにしても随分、沙耶は学習機能で言葉遣いが流暢になったな…と、保は思った。沙耶は、およそ15分で里彩のパスタと長左衛門の和食の惣菜を幾品か作り上げた。その調理速度は、まるで早回しの再生VTR映像のようで、二人を唖然とさせた。

「うむ! やはり素早いのう…」

 その速さに対する驚きではなく、沙耶がアンドロイドだと確信した感嘆の声だった。そう言った後、長左衛門は顎鬚あごひげを撫でつけた。

「おいしい!」

 里彩が沙耶の料理にひと口食べ、叫んだ。

『そう? よかった…』

「いや、これは美味じゃ。一流料亭でも、こうはいくまい。見事ですぞ、沙耶殿!」

 いつの間にか、長左衛門が沙耶を殿呼ばわりしていた。

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