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出かけるとき、里彩に口止めするのを、ついうっかり忘れていたことに気づいたのだ。

「じいちゃん、そうなのか?」

「おっ? おお、まあそうじゃ」

「すごいじゃんか。まだ腕は健在なんだな」

「ははは…もう昔ほどではないがのう。それより保、沙耶さんも、じゃろうが。三井がほぼ間違いないと言っておったぞ」

「メカ同士だから、分かるんだな」

「そうじゃのう。微妙な人間との音声の違いを感知したんじゃろう」

「アンドロイド同士だから、いいわよね」

「そうじゃのう。里彩の言うとおりじゃ、ほっほっほっほっ…」

 長左衛門が笑い、釣られて保と里彩も笑った。話題の沙耶と三井は、キッチンで別方向の話を煮詰めていた。

わたくしもあなたも、アンドロイドとして利用されている、とはお考えにならないのでしょうか』

『私はそこまで考えたことはないわ。保と十分、楽しくやっているから…』

『そうですか。私も先生や里彩さんに逆らうつもりはないのですが…。最近、自分自身の存在に疑問を抱いておるんです』

『考え過ぎなのよ。私達は高々、人間が作ったアンドロイドじゃない。ただ、ロボットと違って思考できる能力が備わっているだけの…』

『それは沙耶さんが仰せのとおりです。しかし、私達にも人権ならぬ物権があるんじゃないでしょうか』


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