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「…確かに、よう出来てると思いますな。問題は飛ぶか、ですわな」

 後藤が駄目出しした。保は、お前には言われたくない・・と、少し気分を害した。

「そりゃ、そうだが。まあ、飛ばしてみんとな…」

 その後藤に但馬が返した。久しぶりに室内に笑声が溢れた。

 時を同じくして、長左衛門達を乗せたタクシーは、保がいる大学前で停車した。三井は一万円札を運転手に手渡した。

「お客さん、生憎あいにく、細かいのを切らしちまって…」

「いいから、取っておきなさい」

「こんなにもらって、いいんですか?」

「わしがいいと言ったら、いいんだ!」

 運転手に長左衛門が威厳のある声で返した。

「そうですか? じゃあ遠慮なく…」

 三人がタクシーから降りると、運転手は愛想のいい笑顔で何度もお辞儀をし、車を発進させた。

「ここは来たことがあるから、ある程度は分かるぞ」

 長左衛門は大学院新館を見上げ。誰に言うでもなくつぶやいた。

わたくしは一度も来ておりませんが、綿密に調べてございます。中へ入れば、向かって左側に警備室があり、矢車という老ガードマンが一人、いますね』

「おお! よう調べたのう。上出来上出来!」

「凄いわね! 三井」

『有難うございます。お二人にそう言われますと、少し面映おもはゆく感じます』

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