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「と、言うと?」

『アンドロイドの行動と対応は予測不可能なのです』

「想定外の動きもあり得るということじゃろう。だが、それは人間とて同じじゃがのう?」

『いえ、先生。人の場合は音声認識システムで次の行動はほぼ推測がつくのです。機械の音声システムで発せられた声は推測できないのです』

「…なるほどのう、そういうことか。それは仕方なかろう。わしと里彩でその場はなんとかするとしよう。で、その他は?」

『あとは、すべて私にお任せを…』

「そうか。では大舟に乗った気分で行くとしよう」

 長左衛門は得心したのか、うなずきながら顎鬚あごひげを撫でつけた。

『すぐに動かれますか?』

「いや、そう急くこともあるまい。里彩もまだ眠っておるし、それにこの時刻じゃ。ちと、早かろう」

『では、昼過ぎにでも…』

「ふむ、そうじゃのう。そう致すとしよう」

 そうは言った長左衛門だったが、三井の思惑は、まったく分からなかった。アンドロイドに内蔵されたマイコンが、考えに考えた挙句の行動と対応設定なのだ。人畜の及ばぬ発想に違いなかった。ただ、保側にも人畜の及ばぬ発想を持つ沙耶がいるのだからあなどれなかった。かくして、長左衛門陣営と保側の第一バトルが開始されたのである。

「あ~あ! よく眠ったわ…」

 長左衛門が部屋へ戻り、里彩が起き出したとき、八時を少し回っていた。

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