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後藤はアフロを掻き乱してノートパソコン上にフケを撒き散らしていた。保はこのていたらくは、いったい何事だ! と内心で怒れていた。自分もこの体たらくの一員かと思うのが嫌だった。そう思えたのには、もう一つの訳があった。沙耶の変貌ぶりである。保の了解を得て、彼女? は日々、ボランティアに奔走していた。保が瞬間移動の設定を条件付きで外したこともあり、沙耶は瞬時に猛スピードで移動し、ボランティアを終えれば、また猛スピードで戻ってくることが可能となっていた。ただ一つ、保が沙耶に釘を刺しておいたのは、出来るだけ人目を避けて移動するようにということだった。マスコミ沙汰になることだけははばかられた。

 沙耶のボランティアは都内から移動して約150Kmの地点にあった。茨城の太平洋沿岸に点在する漁村である。今ではもう過去となったが、大震災の爪痕が未だ色濃く残っていた。沙耶はその復興ボランティアで移動していたのである。沙耶が何をしようと、無関心でいようと保は心がけていたから、ボランティアの内容はまったく知らなかった。気にはなっていたが、えて聞こうとはしなかった。しぱらく様子を見てみよう…と保は思っていた。幸い、長左衛門陣営の音沙汰はしばらく鳴りを潜めていたから、保としては助かった。

「いやあ~、訊かなかったんだけどさ、どんなことをしてるんだ? 一応、保護者のようなものだからさ」

 改めて訊くというのは、どうも歯切れが悪かった。保はそれでも、このまま知らん顔は出来んぞ・・と思えたから、話を切り出していた。

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