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要は人間ならテンションを下げたということである。

「だったら、おじいちゃま。それまで三井をお借りしていいかしら」

 里彩が、おしゃまな言い方をした。

「ほっほっほっ…、里彩の好きにしなさい」

 長左衛門は孫の里彩には、からっきしで甘かった。

『里彩お嬢さまの言われるままに…』

 三井はテンションを下げたままで、暗く従順に言った。長左衛門は、しばらく髭を撫でつけながら無口になった。

「…そういや、三井の話も合点がいくのう。沙耶さんが物を食べなかったのもうなずけるわ。わしが三井のそのことを隠したのと同じじゃからのう」

「なんのこと?」

「里彩は分からずともよい」

 長左衛門にそう言われ、里彩は少し不機嫌になった。

 その頃、保は山盛研究室で欠伸をしていた。自動補足機が日の目を見なくなって以降、研究室は熱気が失せていた。

「岸田君、その後、飛行車のキャド(コンピュータ設計支援ツール)は、どうなってるかね?」

 怠惰感が充満する室内に山盛教授のひと声が響いた。保は思わず欠伸あくぴをおし殺した。

「は、はい…。もっか進行中です!」

「そうかね…。急がないから、よろしく頼むよ」

 いつもなら教授のご機嫌を伺う但馬もテンションが今一、上がらないのか、小判鮫ぶりを発揮しなかった。

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