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二人? は、じっと見つめ合い、互いのシステムを最大限働かせて相手の情報を探ろうと対峙した。目に見えないバトルの構図である。二人? は氷結したように一歩も動かず、時だけが経過していった。

『なんか、あなたと私、似てるわよね…』

『そうですね…。他人とは思えない』

『まあ、いいわ。長左衛門が紹介してくれるでしょうから…』

『先生を呼び捨てですか? ははは…これは看過できないなあ、書生としては』

『あっ、失礼! 長左衛門さんが…』

『いえ…。私もここへ来てはいけなかったんでした。部屋へ戻らねば…。なぜ、ここへ来たんだろう?』

 三井は首を捻りながら離れの方向へUターンした。

『変な人? あれっ? 言語認識システムが作動しないわ。おかしいわね?』

 沙耶は人の言葉を解析できるシステムを内蔵しているが、アンドロイドである三井の言動に解析エラーが生じるのは当然と言えば当然だった。沙耶も三井もこの段階ではお互いがアンドロイドとは気づいていなかった。三井が離れへ引き上げたことで、ひとまず、ややこしい事態は回避された。上手くしたもので、三井がいなくなった数分後、食事を終えた一同が和気藹藹あいあいと応接室へ戻ってきた。

「おお、沙耶さん、どうでした? 気にいった本はありましたか?」

 妻の育子から貧乏臭いからやめてくれ、と頼まれている個人的な癖を持つ勝が、爪楊枝で歯をシーハーしながらたずねた。

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