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『ええ、残念なんですが…』

 沙耶の言語認識システムが育子の言動を分析し、明らかに疑われている解析していた。当然、沙耶は納得できる説明を考えていたが、取りえず軽く言ったのだ。

「大事に、なさって下さいましよ」

『はい…』

 沙耶の返事と同時に保が立った。

「俺、ちょっと部屋へ行くよ。ははは…ほこり、被ってるかな。沙耶さんは本が読みたいそうだ」

「そうですか…。本なら向こうの書棚に、たんとありますから、ごゆっくり…」

 勝が指さした奥の書棚には、図書室並みの多くの本が所狭しと並んでいた。

『有難うございます』

 沙耶もそう言って立つと軽くお辞儀した。そこへ、離れから長左衛門と手下の里彩がやってきた。

「おお! 保か…どうした! 何か起こったか、ホッホッホッ…」

 白髭を手で撫でつけながら、長左衛門は余裕の笑いで言った。

「おじちゃん、こんにちは!」

 愛想よく、沙耶もご機嫌をうかがう。二人に連射され、保はひるんだ。

『お世話になります』

 沙耶が割って入り、保を救った。

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