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里彩が小窓の隅から密かに二人を窺っていたのだ。しばらく事の推移を観ていた里彩の姿はスッと小窓から消えた。

「おじいちゃま、おじちゃんが帰って来たわよ! この前の女と一緒!」

 長左衛門の隠れ部屋へ入るなり、手下の里彩が口走った。

「保が? 女と一緒? はて、なに用かの?」

「おじちゃん、結婚するのかしら? あの女と」

 おしゃまな里彩は、大人びた口をいた。「それは、このX-1号に調べてもらおう。だが、勝達には、まだ秘密じゃから、これをどう説明するかを考えねばならん」

 長左衛門はX-1号を指さしながら言った。帰省した保にとって幸いだったのは、長左衛門が沙耶をアンドロイドだと、まだ知らなかったことである。バレていれば、科学者・長左衛門に攻撃される可能性もあった。

『私をX-1号と呼ばれるのはまずいと思いますが…』

 X-1号が反応して語りだした。

「おお、そうじゃった。呼び名を考えずばなるまい。里彩よ、何か手頃ないい名はないかのう」

 里彩は微笑んで首を捻った。

『里彩ちゃんには、いささか難しいでしょう、この手の問題は』

「ホッホッホッ…そうじゃった、そうじゃった。出来のいい孫ゆえ、頼り過ぎたわい」

『設定は東京のご友人、三井みつい様の子息、名は・・・はじめとでも』

「おっ! 上手いのう。さすがは、わしが開発したX-1号じゃ。いや、今日からは三井と呼ぼう。勝らには、どう説明する?」

 長左衛門は三井をうかがった。

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