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「ほっほっほっ…、里彩、言うのう。だが里彩よ、このことはまさる達には内緒じゃ。言うでないぞ」

「はいっ! おじいちゃま」

 里彩は素直に笑顔で返した。そんな二人の遣り取りなどまったく知らず、その頃、保と沙耶は田舎の岸田家へ帰る計画を立てていた。

「25日以降だな、家賃があるし…。ちょうど27日から連休だし、それでいいか?」

『私は、いつでも…。27から29の二泊三日ね』

「連休で込みそうだけど、一応、調べるか。今から予約取れそうか?」

『ちょっと、待って…』

 沙耶は電話線のモジュラージャックを自分の手の平で握ると、ほんの数秒間、目を閉じた。

『大丈夫。まだ予約席があったから、二名分予約しておいたわ。駄目だった?』

「いや~、そんなことはないさ。逆だ。ははは…。しかし、今回は車で行こう! 下を走る。予約はキャンセルな」

『分かった。で、下って?』

「下は下だよ。…普通道」

『ああ、そういうこと』

「ああそういうこと、ははは…」

 笑って暈した保だったが、正直、沙耶の判断力の正確さと学習能力の上達の早さに少し戸惑っていた。沙耶は電話線のモジュラージャックをふたたび手に握り、目を閉じると予約をキャンセルした。

 呆気なく早く、日が巡った。

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