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「お前さ、解析システムで、じいちゃんがなに考えてるか分かるか?」

『そりゃ分かるわよ、100%。それが、どうかした?』

 ここは微笑むところだと感情システムが作動したのか、沙耶は笑みを浮かべてやさしく言った。

「ちょっと、頼みがあるんだ」

『今?』

「いや、今はまずい。マンションで言う」

『そう、分かった』

 目敏ざとい後藤に気づかれないよう、保はパソコン画面を見つめ、沙耶は室内を見回しながら呟くように言い合った。保と沙耶はその後、語ることなく、時間が過ぎていった。

「岸田君、この前の飛行車の話、面白かったから、キャドで図面を起こしてくれよ」

「はい、分かりました…」

 保は山盛教授に従った。

「頼んだよ。…おっ! もう、こんな時間か」

 教授と保の接近を牽制けんせいしたのだろう。小判鮫の但馬が二人の話に割って入った。

「おお、そうだね。昼にしようか…」

 教授が但馬の言葉に釣られた格好で、腕を見た。

『保、私、そろそろ帰るね。じゃあ…』

「んっ? ああ…」

 保が言い終わったとき、沙耶はすでに研究室にはいなかった。時速300Km以上の瞬間移動である。ああ…また、やってくれたか、と保はテンションを下げた。保以外の全員は唖然として、しばらく棒立ち、し続けた。

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