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「や、やはり、体育会系の女子は違うね。は、ははは…」

 教授の声は笑っていたが、顔は引きっていた。

「ははは…、トイレへ行きたかったみたいです。漏れそうって言ってましたから」

 保は咄嗟とっさに出鱈目を言った。自分でも考えていなかった発想だったから、口にした保自身も驚いた。

「ああ…、そうでしたんか。それにしても早かったですな」

 アフロの後藤が、のんびりとした口調で言った。教授も但馬も合点したのか頷いて笑みを浮かべた。

「それじゃ、昼にしよう!」

 保は沙耶の手弁当を開け、三人は外食で研究室を出た。

 その後は夕方まで事もなく順調に時は巡り、昼までの出来事が嘘のような静けさで推移し、LED電灯が灯る頃となった。

「それじゃ、お先に…」

「お疲れ! 偉く早いな岸田君。ははは…キャド、頼んだぞ」

 教授は意味深な笑顔で研究室を出る保に声を投げかけた。

「えっ? ああ、はい!」

 後ろ姿の保は驚いて振り返ったが、昼までの話はすっかり忘れていたのだった。保はマンションへ戻ると、玄関ドアを開けるなり言った。

「じいちゃん! どうだって?」

 その声に僅か2秒で沙耶が現れた。


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