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「保! 言い忘れたが、例のモノが完成したぞ! ワッハッハッハッ…」

  長左衛門はそう言うと、ふたたびドアを閉ざした。恐れていたことが起こったぞ…と保は思った。長左衛門の実態は保を遥かに超越し、工学博士・名誉教授の称号を持つ未曾有の大発明家だったのである。長左衛門が完成したと言ったのは、アンドロイドの新作だった。となると、沙耶と敵対すれば、互角の勝負となることは必定なのだ。保は、そうならないことを願った。長左衛門は保がアンドロイドを完成させたことを未だ知らない。保がホッ! とした背景には、もう一つ、そういった事情があった。沙耶がアンドロイドとバレないか心中は冷や冷やだったのだ。保は思った。仮に、じいちゃんが作ったアンドロイドを長ロイドとすれば、沙耶VSバーサス長ロイドの構図が描ける…と。沙耶と長左衛門が作った長ロイドが最悪、敵対したとしても、沙耶が負けるとは思っていなかった。それだけ自身はあった。それにしても、さすがは怪獣長左衛門だけのことはある。保と同様、どうも世間には秘密裏に製造していた痕跡があった。それをまったく気づかなかった保は、俺としたことが…とミスをくややんだ。長左衛門がマスコミに公表しないのも保と同じで、やはり血筋と思えた。めいの里彩が今回、上京しなかったのは、どうも長ロイドの番をしているのではないか…と保には思えた。

「沙耶!」

 保に呼ばれ研究室のアチラコチラと見回っていた沙耶が振り返った。

『なに?』

 保に無言で手招きされ、沙耶は保の席へ近づいた。

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