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もちろん横には沙耶がおり、買った弁当とお茶は持っていてくれた。保は沙耶の脱いだ服を入れた紙袋、買った食材の袋を持っている。これで1勝1敗か…と思えた。よく考えりゃ、人間に比べアンドロイドの方がずっと機能的なのかも知れない…とも思えた。だいいち、腹が減る心配など殊更ことさらない。健康面の心配もメカの定期メンテナンス以外は心配ない。適度な運動、睡眠すら必要ない。ないないくしなのである。それに比べれば、なんとまあ人間は無駄が多い動物なことか…。保がそんなことを考えていると、チ~ンと鳴って屋上に着いた。平日だからか、屋上に人影は、ほとんどなかった。

 屋上は爽やかな風が頬を撫で、景観も申し分なかった。人の気配のないベンチに座り、保は弁当を食した。

『美味しい? 私はその感覚が分からないけど…』

「ああ、美味いよ」

 保は食べ続けた。横に座られ、ただ見られているというのも、どうも食いづらいな…と、保が思ったとき、沙耶が立った。

『しばらく、あっちを見てるわ…』

 絶妙のタイミングと感性である。保は合格点を心の中で示した。

 その日、保と沙耶は3時過ぎにマンションへ引き上げた。保はもう少し沙耶と歩いていたかったが、初めて外出の郊外試験としては、まあこれくらいか…と思えたからだ。

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