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 長左獲門は、客達を見回すと、ギロッ! と、眼光鋭く、一瞥いちべつした。

「これは、失礼いたした!!」

 さらに大声でひと言、そう響かせると、長左衛門はコップの水をガブッ! と飲んだ。客達は怖いものを見たように視線を戻し、神妙になった。

 その頃、マンションの沙耶と保は笑っていた。

「ははは…、連中の顔見たか? あんな間の抜けた三人は今まで見たことがない」

『保の飛行車が激し過ぎたんじゃない?』

「かもな、ははは…」

 沙耶は面白いという感情で笑っている訳ではない。感情認識システムがその場面に最適な表情を選んだだけなのだ。人間の感情の起伏なのではなく、システムによる選択の結果だから、感情的には冷めた笑いなのである。とはいえ、外面的には保とまったく同じ笑いで、違和感はなかった。

『これで、いよいよ私のボランティアね』

「そうだな。当分、研究室はひまになりそうだからな。沙耶、まず何がしたい?」

『急に訊かれても…。まあ、いろいろあるから。ちょっと、待って』

 沙耶は停止すると瞑想するかのように目をつぶった。そして、15秒が経過した後、スッ! と目を開けた。

『分かったわ!』

「分かったとか、そういうんじゃなくってさ。好みだよ、好み。沙耶がやりたいことさ」

『うん、そうね』

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