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『は~い!』

 沙耶がアグレッシブに動いて玄関へ出ていった。ドアスコープの向こうには、いつものボケ~っとした顔で、藤崎が立っていた。

「いや~、この前は、どうも。新聞ば見ましてね。岸田さんは?」

『岸田さんですか? はい、おられますが…。お呼びしましょうか?」

「出来れば…。あいが本当かくだけですけん」

『はい。今、呼びます。ちょっと、お待ち下さいね』

 沙耶は玄関から引っ込んだ。

『岸田さん…』

 保は、マスコミが騒ぐと、これだもんな…という迷惑顔で玄関へ出た。「はい、何か?」

「凄いじゃなかですか、岸田さん!」

「いやぁ~、俺はスタッフというだけで、これといって…」

「いやいや、大したもんばい。なにせ、新聞の全国版やけん。そいにテレビも…」

「はあ、有難うございます。申し訳ないんですが、出来れば、騒がないようにお願いしたいんです。いや、迷惑っていうんじゃないんですが、少し疲れ気味でして…」

「ああ・・そいは気がつかんことで済みんやったと。そいじゃ」

 藤崎は、たじたじとしてドアを閉ざした。ちょっと言い過ぎたか・・と保は悔やんだ。

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