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 気分よく浴室を出ると、沙耶が近づいてきた。

『さっき、中林さんから電話があったわよ』

「なんて?」

『さあ? かけ直すって…。たぶん、新聞とかテレビじゃない』

「あっ! そうか…。今、俺達は渦中の人だからな…」

 自動補足機のニュースは、この時点で多かれ少なかれ世間に知られていた。

「おっ! 俺だ。久しぶりだが、どうかしたか?」

「お前、今日の新聞見ただろ」

 中林の冷静な声が保の耳に届いた。

「ああ…、その件か。お前も薄々は感じてたんだろうが、ついにな…」

「いやあ~、全国版の一面トップだぜ、写真入りの。それにだ。テレビがにぎやかに言ってる」

「今、沙耶に何とかならないかいてたとこだ」

「世間に知れると、メリット、デメリット両方あるからな」

「それだ! 中林」

「世間と付き合えなくなるか…」

「というより、別世界の人間になっちまうからな。芸能人みたいなもんだ。…だがまあ、気にすんな。俺がパイプになってやる」

「ははは…太いバイプだ。そのときは頼む、じゃあな。また連絡する…そのうち、一杯、やろうぜ」

「そうだな。楽しみにしてるぞ…、じゃあ!」

 保が電話を切った瞬間、玄関チャイムが鳴った。

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