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「そうだ…。こんなことを君に言っちゃなんだが、沙耶は、ただの物、なんだよ、世間では。もちろん、俺と中林とは違うがな」

『あっ! それ! 中林さん。どお?』

「馬飼商店の中林か…少し脈はあるが」

 中林が店主の馬飼俊一を上手く垂らし込めば、雇ってはもらえそうだった。

『それなら、お願いっ!』

「そうだな…、言ってみるか。沙耶もじいちゃんにかれて肩身が狭いからな。だが、勤めたとしてだ。問題は上手くいくか?」

『大丈夫よ、軽い軽い』

「俺は軽くないように思うがな」

『大丈夫! すべてを7、80%に落とすから…』

「そうか?」

 俄かに上手くいくとは思えない保だった。それでも、中林には頼んでみよう…と保は携帯を手にした。

「ああ、俺だ。お前、今日はいつ終わる」

「終わるって、今日は家にいる」

「なんだ、休みか…。なら、俺のマンションへ来てくれ。お前が言ってた沙耶にも会えるしな。連れてく手間が省ける」

「ああ…そうだな。昼までは雑用があるから二時頃、行く。それでいいだろ?」

「よし! じゃあ、待ってるぞ」

 保はそう言うと、携帯を切った。

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