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「これ里彩! 慎みなさい!」
「だって、おじいちゃまがくれた都昆布以外、お昼から何も食べてないもん…」
「すみませんなあ~。両親の躾に、どうも不手際が…」
『いいんですよ、おじいさま。子供は天真爛漫ですから…。里彩ちゃん、何がいい?』
「ハンバーグ! それと…野菜カレー!」
『うん! すぐ、作るね』
「これっ! 里彩!!」
長左衛門が叱ったとき、もう沙耶は部屋にはいなかった。人では、こうはいかない。素早い身の熟しで、昔の忍者もここまでは…という早さだった。これには長左衛門も言葉を失い、唖然とした。
「た…保。沙耶さんとか言われたが、運動が堪能と見えるのう…」
「えっ?! ああ…。友人の話だと学生時代は陸上の選手だったそうだよ」
「ほう! そうか…。道理でのう」
かろうじて長左衛門を納得させた保は内心、ほっとした。 キッチンへ戻った沙耶は、わずか10分で里彩がリクエストしたハンバーグと野菜カレーの二品を作り上げた。まさに神業で、とても人間には出来ない早さだった。沙耶は、その二品とナイフ、フォークをテーブルへ置いた。
『里彩ちゃん! 出来たわよっ!』
和間にその声が響いた。
「うっそぉ~!!」
里彩は驚きの声を上げた。長左衛門も尋常ではないその迅速さに度肝を抜かれて、語る言葉を持たない。




